陰茎増大のヒアルロン酸注入とは?効果・持続期間とリスク

陰茎増大のヒアルロン酸注入は、陰茎体部(いわゆるサオの部分)の皮下へヒアルロン酸製剤を注入し、主に周径や輪郭の変化を目指す自由診療です。

研究では一定期間の周径増加が報告されていますが、変化の大きさや持続期間は、製剤、注入量、測定位置、施術後の時期によって異なります。研究の平均値を「誰でも○cm太くなる」「○年間持つ」という保証にはできません。

また、切開しない場合でも、針やカニューレを入れて製剤を注入する医療行為です。「切らないから安全」「ヒアルロン酸だから必ず元へ戻せる」とは限りません。しこり、凹凸、左右差、移動、感染などが起こり、診察や修正が必要になる可能性があります。

施術後に強い痛み、急速な腫れ、皮膚の白・紫・黒への色調変化、冷たさ、膿、発熱、排尿しにくさがある場合は、記事を読み進めるより施術した医療機関へ直ちに連絡してください。急速に悪化する、連絡がつかない場合は救急対応が可能な医療機関へ相談してください。

本記事は、2026年8月18日時点の査読論文、系統的レビュー、PMDA資料等を参照してMEN'S MEDICAL編集部が作成しています。個別の適応、製剤、注入量、治療方針は医師の診察によって判断されます。

最終医学情報確認日:2026年8月18日

目次

陰茎体部へのヒアルロン酸注入とは

対象は主に陰茎体部です。製剤を皮下の層へ配置し、平常時を中心とした周径や輪郭の変化を目指します。同じ「ヒアルロン酸注入」でも、製品、架橋の程度、硬さ、使用量、注入する層や範囲は統一されていません。

陰茎増大の方法全体や脂肪注入との違いは、親記事の陰茎増大とはで整理しています。自力、ポンプ、器具、サプリを含めて検討している場合は、ペニスを太くする方法をご覧ください。

亀頭へのヒアルロン酸注入とは別の施術

陰茎体部と亀頭では、組織、目的、製剤の配置、研究条件が異なります。亀頭注入研究の数値を陰茎体部へ一般化できません。亀頭への施術は亀頭増大のヒアルロン酸注入で別に解説しています。

比較項目 陰茎体部への注入 亀頭への注入
主な対象 陰茎体部 亀頭
主な目的 体部の周径・輪郭 亀頭の輪郭・ボリューム
研究の扱い 体部の周径研究を確認 亀頭研究を別に確認
判断上の注意 注入量や測定位置を確認 体部の数値を転用しない

期待できる変化と、変えられないこと

陰茎体部へのヒアルロン酸注入後に確認する時間経過と評価項目を整理した図

目標となるのは陰茎体部の周径、輪郭、外見上のボリュームです。陰茎の長さを伸ばす施術ではなく、勃起機能、感覚、早漏、パートナーの満足度の改善を保証する治療でもありません。

「太くなった」の測定条件を確認する

研究や症例で数値を見る際は、少なくとも次を確認する必要があります。

  • 周径と直径のどちらか
  • 陰茎体部の根元、中央、先端寄りのどこか
  • 平常時、伸展時、勃起時のどの条件か
  • 注入直後か、腫れが引いた後か
  • 製剤と注入量
  • 追跡期間と脱落者数

注入直後は製剤だけでなく腫れも見た目へ影響します。直後の写真や数値を長期結果と同じに扱わないでください。

医学研究で報告された効果

陰茎体部へのヒアルロン酸注入を調べた研究はありますが、対象者や製剤、注入量、測定条件が揃っていません。

研究 対象・方法 主な評価時期 読み取る際の限界
Kwakら(2010) 主観的に小さいと感じる男性50人。Restylane Sub-Qを平均20.56cc注入し、体部中央の周径を測定 1か月・18か月。41人が18か月まで追跡 単一施設の前向き研究。使用量が多く、現在の国内診療へそのまま適用できない
Yangら(2019) 3施設72人をHA群36人、PLA群36人へ無作為化 4〜48週 別製剤との比較であり、無治療との比較ではない。48週時点の平均変化は個人の保証値ではない
Moonら(2022) 64人が試験を完了。HAとPLAを比較 24週 対象集団、製剤、注入条件が限定され、性機能への効果を一般化できない

これらでは周径増加や満足度の変化が報告されています。一方、2021年の系統的レビューは、非外科的増大法に標準化された方法がなく、さらなる無作為化試験が必要としています。2024年のレビュー・メタ解析も研究デザインのばらつきとデータの限界を指摘しています。

したがって、研究値は「条件を限定した集団の平均的な観察結果」です。広告の延長量や持続年数を裏付ける万能な数値ではありません。

効果はどのくらい持続するのか

吸収性のヒアルロン酸は時間とともに変化します。ただし、吸収の速さは製剤、架橋、量、注入層、代謝、再注入歴などに左右され、一律の年数にはできません。

2019年の無作為化比較試験では48週まで周径変化を追跡し、HA群の増加量は時間とともに低下しました。2010年の研究は18か月まで追跡していますが、異なる製剤・平均注入量・対象者の結果です。この2研究をつないで「一般に○年持つ」と結論づけることはできません。

再注入は残存物と組織の状態を確認してから

効果が減ったように感じても、自己判断で追加注入を重ねないでください。残存製剤、しこり、炎症、皮膚の余裕を確認せずに追加すると、凹凸、圧迫、移動などの問題が増える可能性があります。

施術日、製品名、ロット、注入量、部位を記録し、再注入の前に診察を受けることが重要です。

国内承認と適応外使用を分けて確認する

国内で承認されているヒアルロン酸使用軟組織注入材はあります。しかし、PMDAで確認できる承認製品の使用目的は、顔面または顔面・頸部の補整などです。

製剤が国内承認されていることと、陰茎体部への注入が承認された使用目的であることは同じではありません。 陰茎体部への美容目的注入は適応外使用に該当する可能性があります。また、医療機関が未承認製品を使用する場合もあります。

使用製品を特定できない状態で承認状況を断定できません。施術前に次を確認してください。

  • 製品名と製造販売元
  • 国内承認の有無と承認番号
  • 承認された使用目的・部位
  • 適応外または未承認の場合、その理由と入手経路
  • 国内で承認された代替手段の有無
  • 有害事象が起きた場合の対応と補償

リスク・副作用

起こり得る問題には、痛み、腫れ、赤み、内出血、圧痛、しこり、硬さ、凹凸、左右差、製剤の偏り・移動、感染、炎症、アレルギー反応などがあります。

血管への誤注入や圧迫による血流障害、皮膚・組織の損傷は重大です。正確な発生率は、方法や報告条件が揃っていないため一律に示せません。症例報告があることだけから「よく起こる」とも、「報告が少ないから安全」とも判断できません。

受診を急ぐ症状

  • 痛みや腫れが急速に強くなる
  • 皮膚が白色、紫色、黒色へ変わる
  • 皮膚が冷たい、感覚が急に変わる
  • 膿、悪臭、発熱がある
  • 出血が続く
  • 排尿しにくい

美容上の左右差やしこりと、感染・血流障害など緊急性のある状態を分ける必要があります。上記があれば費用や他院比較より診察を優先してください。

ヒアルロニダーゼで必ず元に戻せるわけではない

ヒアルロン酸製剤は、状況によってヒアルロニダーゼによる分解が検討されます。しかし、次の理由から「いつでも簡単に元どおり」とは言えません。

  • 注入物が本当にヒアルロン酸か確認できない場合がある
  • 製剤、量、経過時間で反応が異なる
  • 感染や血流障害には別の治療が必要
  • 分解後も腫れ、炎症、瘢痕、皮膚の余り、形の変化が残る可能性がある
  • ヒアルロニダーゼ自体にもアレルギー反応等のリスクがある

修正を希望する場合は、自己注射せず、元の製剤と量が分かる資料を持って医療機関へ相談してください。

費用は製剤と注入量をそろえて比較する

費用は1cc単価、複数ccプラン、施術一式など単位が異なります。診察、麻酔、薬、再診、追加注入、溶解・修正が含まれるかも医療機関ごとに違います。

現在の公式料金を条件付きで比較したい場合は、陰茎増大の費用をご覧ください。本記事では効果・持続期間・安全性を中心とし、料金表を重複掲載しません。

施術前に確認したいこと

  1. 変えたいのは陰茎体部の周径か、亀頭・長さ・勃起機能か
  2. 製品名、承認状況、陰茎への使用目的
  3. 予定量と、その量を提案する理由
  4. 測定位置と評価時期
  5. 時間とともに効果が変化する可能性
  6. しこり、凹凸、感染、血流障害への対応
  7. ヒアルロニダーゼを使える条件と限界
  8. 再注入・修正を含む総額
  9. 夜間・休診日の連絡先
  10. 何もしない選択肢を含む代替案

医学的な緊急性のない美容施術なら、「今日だけ安い」と言われても即日契約・即日施術を急ぐ必要はありません。説明書と見積書を持ち帰って比較できます。

よくある質問

陰茎へのヒアルロン酸注入で何cm太くなりますか?

一律には答えられません。周径と直径、測定位置、平常時・勃起時、製剤、量、評価時期で数値が変わります。研究平均を個人の保証値として使うことはできません。

効果は永久ですか?

永久とは断定できません。吸収性製剤は時間とともに変化し、研究でも増加量の時間変化が確認されています。製剤ごとの広告年数ではなく、使用製品と追跡条件を確認してください。

ヒアルロン酸なら安全ですか?

安全を保証できません。しこり、凹凸、移動、感染などのほか、重大な血流障害・組織損傷も考慮が必要です。製剤、注入量、施術者の知識、緊急対応体制を確認してください。

亀頭増大と同じヒアルロン酸ですか?

同じ一般名の材料が使われることはありますが、対象部位、製剤、量、配置、目的、研究は別です。亀頭の研究結果を陰茎体部へそのまま当てはめられません。

性機能や早漏は改善しますか?

改善を保証できません。周径・外見の変化と、勃起機能、感覚、射精時間、パートナーの満足度は別の評価項目です。性機能の悩みが中心なら泌尿器科等へ相談してください。

まとめ:製剤・量・測定条件と時間変化を確認する

陰茎体部へのヒアルロン酸注入では、一定期間の周径変化が医学研究で報告されています。しかし、製剤、注入量、測定位置、追跡期間は研究ごとに異なり、個人の効果や持続期間を保証するものではありません。

「ヒアルロン酸だから安全」「承認製剤だから陰茎にも承認済み」「溶かせば必ず元どおり」と単純化せず、製品名、適応、量、効果の評価条件、合併症と修正体制を確認してください。

参考文献・参考情報

  1. Kwak TI, et al. The effects of penile girth enhancement using injectable hyaluronic acid gel, a filler. J Sex Med. 2010. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20233296/ (参照日:2026年8月18日)
  2. Yang DY, et al. A Comparison of the Efficacy and Safety Between Hyaluronic Acid and Polylactic Acid Filler Injection in Penile Augmentation. J Sex Med. 2019. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30833149/ (参照日:2026年8月18日)
  3. Moon DG, et al. Efficacy and Safety of Penile Girth Enhancement Using Hyaluronic Acid Filler. World J Mens Health. 2022. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33988002/ (参照日:2026年8月18日)
  4. Nonsurgical Methods for Penile Augmentation: A Systematic Review. Dermatol Surg. 2021. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33587382/ (参照日:2026年8月18日)
  5. Hyaluronic acid and urology: a systematic review and meta-analysis. Sex Med Rev. 2024. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39238469/ (参照日:2026年8月18日)
  6. Sexual Medicine Society of North America. Cosmetic penile enhancement procedures: an SMSNA position statement. 2024. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38654638/ (参照日:2026年8月18日)
  7. PMDA「スキンバイブ by ジュビダームビスタ 添付文書」2025年8月第1版. https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/kikiDetail/ResultDataSetPDF/112130_30200BZX00389A01_A_01_01 (参照日:2026年8月18日)
  8. PMDA「レスチレン リフト リド 添付文書」2024年8月改訂. https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/kikiDetail/ResultDataSetPDF/200483_22700BZX00178000_1_01_07 (参照日:2026年8月18日)
  9. 厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokokukisei/ (参照日:2026年8月18日)
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この記事を書いた人

MEN'S MEDICAL編集部のアバター MEN'S MEDICAL編集部 編集:MEN'S MEDICAL編集部|編集責任者:後神隆平|運営:株式会社GWT

MEN'S MEDICAL編集部は、株式会社GWTが運営・発行する男性医療情報メディアの調査・編集組織です。編集責任者は後神隆平です。厚生労働省、PMDA、学会、診療ガイドライン、査読論文、医療機関の公式情報等を確認し、対象部位・患者集団・研究条件・確認日を区別して編集します。株式会社GWTおよび後神隆平は医師・医学監修者として表示するものではありません。医師監修を実施した記事では、監修者と監修範囲を事実に基づいて表示します。制作方法・更新方針は運営ポリシーをご確認ください。掲載内容へのご指摘はお問い合わせからお知らせください。

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