切らない長茎術とは?効果・後戻り・リスクを解説

切らない長茎術とは、一般に大きな皮膚切開を行わず、針穴などから医療用の糸を通し、陰茎の根元付近を前方へ引き出した位置で固定する施術を指します。「埋没陰茎牽引固定法」「糸による長茎術」などの名称で案内されることもあります。

ただし、「切らない長茎術」は統一された一つの学術的な術式名ではありません。 固定する組織、糸の材質や本数、針を通す位置、固定方法は医療機関によって異なります。「切らない」という名称だけで治療内容や安全性、持続期間を判断することはできません。

期待されるのは、主に平常時に体外から見える部分の変化です。陰茎組織そのものが成長する施術ではなく、勃起時にも同じ長さが増えるとは限りません。また、固定の緩みや組織の変化による後戻りの可能性があり、「永久」「必ず元に戻せる」「確実に○cm伸びる」とは断定できません。

この記事では、長茎術全体の解説を繰り返すのではなく、切らない方法の実態、持続性、リスク、検討前に確認すべき点を詳しく整理します。

本記事は、2026年8月17日時点の学会資料、査読済み論文、公的機関の情報を参照してMEN'S MEDICAL編集部が作成しています。個別の適応や治療方法は、医療機関での診察により判断されます。

最終医学情報確認日:2026年8月17日

目次

切らない長茎術で行われていること

国内の医療機関が案内する切らない長茎術では、陰茎の根元付近へ針を通し、糸で組織を固定する方法が多く見られます。体内側や周囲組織に隠れていた部分を前方へ引き出し、平常時に見える範囲を増やす考え方です。

「切らない」は無傷・無侵襲という意味ではない

大きな切開をしなくても、針を刺し、皮下に糸を通して組織を固定する処置は身体への侵襲を伴います。出血、腫れ、内出血、痛み、感染などが起こる可能性はあります。

「傷が一切ない」「リスクがない」という意味ではありません。傷の位置や大きさ、使用する糸、固定箇所、麻酔方法を具体的に確認してください。

同じ名称でも術式が同じとは限らない

切らない長茎術には、国際的に統一された術式・測定方法・標準的な固定法が確認できません。医療機関独自の名称が使われる場合もあります。

少なくとも、次の違いを確認する必要があります。

  • どの組織とどの組織を固定するのか
  • 使用する糸の材質と本数
  • 糸を通す位置と固定点
  • 糸が緩んだ、切れた、露出した場合の対応
  • 解除や修正に切開が必要になる可能性
  • 術前後の長さをどの状態・条件で測定するか

切らない長茎術の検討時に確認する固定方法・変化・後戻り・リスクを整理した図

期待できる変化は平常時の見え方が中心

糸による固定で位置が変われば、平常時に外から見える陰茎の範囲が変化する可能性があります。ただし、陰茎の組織そのものを新たに作る治療ではありません。

勃起時も同じだけ長くなるとは限らない

平常時、伸展時、勃起時は別の測定状態です。平常時の見え方が変わっても、勃起時に同じ変化量が得られるとは限りません。

術前後の数値を見るときは、温度や姿勢、測定位置、測定者がそろっているかも確認してください。条件の異なる写真や測定値を比較しても、施術効果だけを判断することは困難です。

「何cm伸びるか」の一般値は確認できない

クリニックによって掲げる延長量は異なりますが、切らない長茎術全体に適用できる、質の高い研究に基づく標準的な延長量は確認できませんでした。

美容的な陰茎延長術を扱う系統的レビューでも、術式、対象、測定条件、追跡期間が統一されておらず、結果を単純に比較できません。施設独自の症例値や最大値を、自分にも得られる平均的効果として扱わないでください。

後戻りする?効果は永久?

切らない長茎術では、固定に用いた糸の緩み・断裂、固定部周辺の組織の伸び、体格の変化などによって、時間とともに見え方が戻る可能性があります。

一方で、「○カ月で必ず戻る」「○年間は必ず続く」といえる統一的なデータも確認できません。術式自体が標準化されておらず、長期追跡した比較研究が乏しいためです。

切開を伴う方法を含む効果量、勃起時の変化、合併症との比較は、長茎術の効果・リスクをご覧ください。

後戻りの説明で確認したいこと

  • 後戻りをどの状態・測定方法で評価しているか
  • 提示された持続期間の根拠が論文か自院症例か
  • 糸が緩んだ場合にどのような症状が出るか
  • 再固定、抜去、修正が必要な場合の方法と費用
  • 長期経過をどの期間まで追跡しているか

「半永久」「永久」といった言葉が使われている場合は、その定義と根拠を尋ねましょう。

切らない長茎術のデメリットとリスク

主なリスク・不利益として、次が考えられます。実際の内容や頻度は術式により異なります。

  • 痛み、腫れ、内出血、出血
  • 感染
  • 糸を触れる、しこりやつっぱりを感じる
  • 固定位置の左右差や外観への不満
  • 糸の緩み、断裂、露出
  • 後戻りや期待した変化が得られないこと
  • 違和感や感覚の変化
  • 修正・抜去時に切開が必要になる可能性

陰茎周辺は血管や神経などがある部位です。「針穴だけだから安全」とは判断せず、合併症が起きた場合の連絡先と対応方法を確認してください。

取り消せば必ず元どおりになるとは限らない

糸を抜けば必ず施術前と同じ状態へ戻るとは断定できません。瘢痕、癒着、感染、組織の変化があれば、抜去や修正に追加処置が必要になる可能性があります。

「元に戻せる」と説明された場合は、どの段階まで、どの方法で、どの費用で対応するのかを確認しましょう。

痛み・傷跡・ダウンタイム

切開を限定できる方法では、切開法より傷が小さく見える場合があります。しかし、痛みや腫れがないことを保証するものではありません。

ダウンタイムは、針を通す範囲、固定点、麻酔、併用施術、体調などで変わります。医療機関の案内にも差があり、切らない長茎術全体に共通する一律の日数は示せません。

受ける前に次を確認してください。

  • シャワー・入浴・運動を再開できる時期
  • 性行為・自慰を控える期間
  • 飲酒や喫煙に関する指示
  • 再診の時期と緊急連絡先
  • 強い腫れ、出血、発熱、痛みが出た場合の対応
  • 遠方から受診する場合の術後フォロー

術後は一般記事の目安ではなく、担当医から受けた指示を優先してください。

切る長茎術との違い

確認点 切らないと呼ばれる方法 切開を伴う方法
主な処置 針穴等から糸で組織を固定する方法が多い 支持組織、皮膚、脂肪等へ直接処置する
切開を限定できても傷やしこりは起こり得る 切開創・瘢痕が残る可能性
持続性 糸や組織の変化による後戻りの可能性 長期維持を目指す方法でも保証はできない
修正 糸の抜去だけで済むとは限らない 再切開等が必要になる場合がある
エビデンス 標準化された長期比較データが乏しい 術式別の報告はあるが全体として限定的

切る・切らないだけで優劣を決めることはできません。目的、体格、原因、期待値、リスク許容度に応じた個別評価が必要です。全体像は長茎術とはで確認できます。

費用を確認するときの注意点

美容目的の切らない長茎術は、一般に自由診療として案内されています。料金は固定点、糸、麻酔、検査、薬、再診、修正対応などで異なります。

費用は独立した検索意図であり、本記事では相場を断定しません。見積もりでは次の内訳を確認してください。

切る方法を含む公式料金の比較と総額の確認方法は、長茎術の費用をご覧ください。

  • 診察、検査、麻酔、薬、固定材料を含む総額
  • 術後診察と緊急対応の費用
  • 抜去、再固定、修正にかかる費用
  • 当日契約をしない場合の条件
  • モニター価格や分割払いの総支払額

安価な広告をきっかけに受診し、当日に高額な施術を勧められる美容医療トラブルは公的機関からも注意喚起されています。説明を持ち帰り、必要なら複数の医療機関を比較してください。

受ける前に医師へ確認したい質問

  1. この施術で固定する組織と使用する糸は何か
  2. 自分の場合、変化が期待できる根拠は何か
  3. 平常時・伸展時・勃起時のどれを測るのか
  4. 後戻りと長期持続性を示す資料はあるか
  5. 糸の緩み、感染、痛みが起きた場合の対応は何か
  6. 抜去・修正に切開が必要になる可能性はあるか
  7. 麻酔、薬、再診、修正を含む総額はいくらか
  8. 治療しない選択や別の方法はあるか

包皮の被りが主な悩みなら、長茎術とは別に状態を確認する必要があります。包茎の見分け方を参考にし、自己判断で施術を選ばないでください。医療機関を比較する際の一般的な確認事項は包茎クリニックの比較記事も参考になりますが、切らない長茎術の内容と費用は各院の公式情報で再確認してください。

よくある質問

切らない長茎術は安全ですか?

大きな切開を避けられる場合でも、針や糸による処置には出血、感染、痛み、しこり、糸の問題などのリスクがあります。「切らない」という名称だけで安全とは判断できません。

効果は永久に続きますか?

永久に続くと断定できる質の高い根拠は確認できませんでした。糸や組織の変化による後戻りの可能性があり、持続期間を比較できる標準化された長期研究も限られています。

何cm長くなりますか?

すべての人に当てはまる標準的な延長量は確認できません。術式、体格、もともと隠れている範囲、測定条件で変わります。最大値や症例写真を自分の結果として期待しないでください。

糸を抜けば元に戻せますか?

糸の抜去が可能な場合でも、必ず施術前と同じ状態へ戻るとは限りません。瘢痕、癒着、感染などにより追加処置が必要になる可能性があります。

勃起時も長くなりますか?

平常時の見える長さが変わっても、勃起時に同じだけ変化するとは限りません。何をどの条件で測定した数値なのか確認してください。

まとめ:名称より固定方法と根拠を確認する

切らない長茎術は、大きな切開を避け、糸などで陰茎根部付近を固定する施術として案内されています。しかし、名称や術式は統一されておらず、効果量・持続期間・後戻りを一律には説明できません。

検討するときは「切らない」という言葉だけでなく、固定する組織、糸、測定条件、後戻り、抜去・修正方法、総費用を確認してください。「永久」「必ず戻せる」「確実に○cm」といった説明には根拠を求め、疑問が残る場合は当日に決めないことが大切です。

参考文献・参考情報

  1. American Urological Association. “Penile Augmentation Surgery.” 更新日の確認不可. https://www.auanet.org/about-us/aua-statements/penile-augmentation-surgery (参照日:2026年8月17日)—美容目的の陰茎延長術に関する学会見解の確認。
  2. European Association of Urology. “EAU Guidelines on Sexual and Reproductive Health: Penile Size Abnormalities and Dysmorphophobia.” 2026年版ウェブガイドライン. https://uroweb.org/guidelines/sexual-and-reproductive-health (参照日:2026年8月17日)—治療前評価、説明、エビデンスの限界の確認。
  3. Falagario UG, et al. “Techniques for Penile Augmentation Surgery: A Systematic Review of Surgical Outcomes, Complications, and Quality of Life.” Medicina. 2024;60(5):758. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38792941/ (参照日:2026年8月17日)—術式、測定方法、合併症、長期データの限界の確認。
  4. Marra G, et al. “Aesthetic Augmentation Phalloplasty: A Systematic Review of Techniques and Outcomes.” Plastic and Reconstructive Surgery. 2020. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33136942/ (参照日:2026年8月17日)—研究品質と合併症の確認。
  5. 厚生労働省「医療法における病院等の広告規制について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokokukisei/ (参照日:2026年8月17日)—医療広告ガイドライン等の確認。
  6. 厚生労働省「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書 第6版」令和8年3月. https://www.mhlw.go.jp/content/001683116.pdf (参照日:2026年8月17日)—自由診療の費用・リスク、誇大表現等の確認。
  7. 国民生活センター「美容医療サービスにみる包茎手術の問題点」2016年6月23日. https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20160623_2.html (参照日:2026年8月17日)—即日契約、高額契約、追加施術に関する注意点の確認。
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この記事を書いた人

MEN'S MEDICAL編集部のアバター MEN'S MEDICAL編集部 編集:MEN'S MEDICAL編集部|編集責任者:後神隆平|運営:株式会社GWT

MEN'S MEDICAL編集部は、株式会社GWTが運営・発行する男性医療情報メディアの調査・編集組織です。編集責任者は後神隆平です。厚生労働省、PMDA、学会、診療ガイドライン、査読論文、医療機関の公式情報等を確認し、対象部位・患者集団・研究条件・確認日を区別して編集します。株式会社GWTおよび後神隆平は医師・医学監修者として表示するものではありません。医師監修を実施した記事では、監修者と監修範囲を事実に基づいて表示します。制作方法・更新方針は運営ポリシーをご確認ください。掲載内容へのご指摘はお問い合わせからお知らせください。

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